島根県石浜田市にある工房 かわひら「神の国から」
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手すき紙職人の一年 春

紙を漉くために重要なのは、楮などの原料、水、そして紙漉きに関わる人の心です。

工房の1年を紹介しながら、それぞれについてつれずれ書いていきたいと思います。

2月 立春過ぎて

立春も過ぎ、紙すき作業も一番忙しい時期です。

冷たい水に手を入れて原料の塵をとったり、紙漉きをしていると本当に冷たくて正直なところ辛いなーと思うことがあります。そんなことでは、まだまだですね(笑)

 

さて、工房のある三隅は、水が澄むということからきているといわれるほど水が豊富できれいな場所です。

紙を漉く上でも、水は、大変重要です。工房では、水道水ではなく、昔から使用している井戸の水を原料処理から紙漉きまで使用しています。もちろん生活のための貴重な水としても使用しています。

 

ふだんは雪はあまり積もりませんが、この日はうっすら山に雪が積もりました。

紙漉きの合間に、トラクターで田起こしをしたり、展示即売会があるので出張に出たり、2月はいつも忙しく慌ただしく過ぎていきます。

 

3月 春の気配

工房前の水仙がきれいです。冬前に刈り取った楮の切り株から若芽が伸びてきました。

小川の土手にはつくしが。

少しずつ春の気配を感じています。

4月 農作業の始まり

楮の花が咲きました。ピンク色で、線のような花びらの花です。

楮畑には、菜の花も咲きました。しかし、楮の成長のためには、雑草を取らないとうまく育ちませんので

がんばって草取りをします。ちょうど草がなくなったところが、うちの工房の畑です。1年分の楮はこれだけでは

もちろん足りません。地元の農家の方が栽培してくれるものも使っていますが、年々作る人が少なくなり困っています。

 


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